DOI: 10.1002/jja2.13177 ISSN: 1883-3772

ICU患者の検査処置指示書変更に伴う栄養中断時間に関する後方視的研究(A retrospective study on nutrition interruption time associated with examinations and procedures in ICU patients)

春山 美咲子, 佐川 千尋, 笹山 陽加, 鶴岡 裕太, 大島 拓

要旨

【目的】 重症患者の持続的な経腸栄養はICUでの検査や処置のためにしばしば中断される。中断が長時間に及ぶと栄養投与量が不足する可能性があるため,中断時間を短縮することは重要な臨床的課題である。そこで,重症患者の検査処置時の持続経腸栄養の中断時間を短縮するために,指示書に栄養投与を検査・処置の「直前に中断」を指示する項目を追加したことが与えた効果を検討した。 【方法】 2019年から2021年にICUに入室し,検査処置指示書を用いて持続経腸栄養を中断した患者を対象とした。検査処置ごとの栄養中断時間および指示書変更前後の変化を後方視的に比較した。 【結果】 対象症例は指示書変更前75例,変更後93例であった。変更前後の合計栄養中断時間(分)の中央値(四分位範囲)は,気管切開449(327–626)vs 243(147–352);p=0.001,抜管540(456–736)vs 145(95–272);p<0.001,単純CT 78(55–208)vs 58(45–72);p=0.025,造影CT 262(79–630)vs 90(60–209);p=0.030であった。いずれも変更前後で検査・処置自体の所要時間に有意な差はなかった。 【結語】 ICUでの検査や処置に伴う経腸栄養の中断時間の短縮には,指示書に「直前の中断」を指示する項目を追加することが有用であることが示唆された。