DOI: 10.1002/jja2.13164 ISSN: 1883-3772

造影CTが診断に寄与したG群溶血性連鎖球菌による後腹膜筋膜炎の1例(A case of Group G Streptococcal retroperitoneal fasciitis diagnosed with the aid of contrast–enhanced CT)

清水 太郎, 成田 正雄, 大山 真由, 山本 奈緒

要旨

【背景】 G群溶血性連鎖球菌(Group G Streptococcus: GGS)は皮膚軟部組織感染の起因菌として知られ,筋膜炎を引き起こすことがあるが,多くは四肢に発生し,後腹膜に限局する例は非常に稀である。今回我々は,GGSによる後腹膜筋膜炎の1例を経験したので報告する。 【症例】 50代,女性。自宅で倒れているところを発見され当院へ救急搬送された。来院時ショック状態であったが,身体所見は直腸診による背側の圧痛のみで,体表に皮疹や外傷所見はなかった。腹部造影CT検査で骨盤腔を中心とした後腹膜の広範な炎症性変化を認めたが,ガス像や膿瘍形成は認めなかった。血液検査データと併せて後腹膜筋膜炎,敗血症性ショックおよび多臓器不全と診断し,ICUで集学的治療を開始した。第3病日に血液培養よりGGSが検出された。経過は良好で,第12病日にICUを退室し,第35病日にリハビリテーション目的で転院となった。 【結語】 後腹膜筋膜炎は,診断基準が確立されておらず,身体所見も乏しいため,画像診断の役割が重要となる。本症例は,後腹膜病変の評価における造影CT検査の重要性と,画像所見と臨床経過を統合して病勢を判断する必要性を示唆するものである。

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