DOI: 10.1002/jja2.12827 ISSN: 1883-3772

繰り返す誤嚥性肺炎に合併した肺化膿症による感染性鎖骨下動脈瘤破裂のため喀血した1例(Hemoptysis caused by ruptured subclavian artery pseudoaneurysm related to lung suppuration following recurrent aspiration pneumonia)

阿部 智也, 守屋 まりこ, 加藤 貴久, 大竹 成明, 鈴木 健也, 奈倉 武郎, 佐野 秀史, 弦切 純也

要旨

繰り返す誤嚥性肺炎は肺膿瘍,膿胸を合併しやすい。今回我々は,繰り返す誤嚥性肺炎から肺化膿症を合併し,喀血した症例を経験した。喀血の原因を左鎖骨下動脈本幹から胸腔内に突出する不整形の仮性動脈瘤であると同定し,同日,感染性鎖骨下動脈動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した。塞栓修了後,喀血は消失し,第9病日に自宅退院した。本邦における感染,とくに炎症性肺疾患に伴う感染性動脈瘤,あるいは仮性動脈瘤破裂の報告は一般的に肺動脈で生じており,鎖骨下動脈の報告は稀である。鎖骨下動脈に近接した炎症性肺疾患がある患者が喀血した際には,感染性鎖骨下動脈動脈瘤の可能性も考慮する必要が示唆された。

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