DOI: 10.1002/jja2.13182 ISSN: 1883-3772

第2肋骨骨折を伴うType II胸骨柄結合脱臼が自然整復し,保存的加療で良好な経過を得た1例(Spontaneous reduction of Type II manubriosternal joint dislocation associated with a second rib fracture with favorable outcome following conservative management)

堀江 勝博, 磯川 修太郎, 大谷 典生

要旨

【背景】 胸骨柄結合脱臼は比較的稀な損傷であり,全外傷症例の約0.5%未満とされる。胸骨柄結合部は第2胸肋関節を含む周囲構造により安定化されている。既報では観血的治療がしばしば選択されているが,標準治療は確立していない。今回,胸骨柄結合脱臼が自然整復され,保存的加療で良好な経過を得られた症例を経験したため報告する。 【症例】 58歳,男性。速度60km/hで乗用車を運転中,交差点でトラックと衝突して受傷し,前胸部痛を主訴に当院へ救急搬送された。来院時身体所見で,前胸部に陥凹と圧痛を認めた。全身造影CTで,右第2肋骨骨折,Type II胸骨柄結合脱臼を認めた。体幹伸展位で整復を試みたが整復は得られず,経過観察目的で入院した。入院2日目に,起居動作を契機に自然整復した。その後は再脱臼を認めず,入院3日目に退院した。受傷5か月後まで再脱臼はせず経過した。 【結語】 第2肋骨骨折を伴う胸骨柄結合脱臼では,胸郭構造の変化により整復が得られ,保存的加療により良好な経過を得られる可能性が示唆された。