DOI: 10.1002/jja2.13158 ISSN: 1883-3772
救急科専門研修を選択する専攻医の特徴とキャリア上の懸念(Characteristics and career–related concerns of residents choosing emergency medicine specialty training)
鈴木 昌, 渡辺 毅要旨
【目的】 救急科専門医の確保と持続可能な育成は我が国の救急医療体制における重要課題である。専攻医の救急科選択動機や将来不安を,他科と比較して体系的に検討した研究は行われていない。本研究の目的は,全専攻医対象アンケート調査の回答者を対象に,救急科専攻医が救急科を選択する理由とキャリア上の懸念とを他基本領域と比較し,その特徴を明らかにすることである。 【方法】 日本専門医機構の基本領域専門研修に登録した医師を対象とした全国Web調査(UPSIDE研究・厚労科研)データを用いた。救急科専攻医と他科専攻医の比較から選択理由等についてχ 2 検定および多変量ロジスティック回帰分析を行った。 【結果】 救急科専攻医は553名(3.5%)であった。多変量解析では,「生命に直結する」「総合的診療能力が獲得できる」「専門医が取得しやすい」「ワーク・ライフ・バランスが確保できる」等が救急科選択と独立して関連した。一方,「将来にわたる専門性の維持」「開業のしやすさ」は救急科選択と負に関連した。 【結語】 救急科は使命感やジェネラリスト志向を有する専攻医に選択される一方,長期的キャリア形成に対する不安が存在した。救急科専門医の持続的育成には,将来像を含めた制度的支援が求められる。